【弁護士が解説!】寄与分が認められるケースとは?
相続が発生した際、法定相続分通りに遺産を分けることが、必ずしも適切とは限りません。
特定の相続人が、生前に被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献していた場合、その貢献を考慮せずに遺産を分割すると、かえって不利益が生じてしまいます。
この記事では、寄与分の基本に加えて、寄与分が認められるケースについて解説いたします。
寄与分とは?
寄与分とは、共同相続人の中で、被相続人の財産の維持または増加に特別の貢献をした人がいる場合に、その貢献度に応じて相続分を優遇する制度です。
この制度は、特定の相続人が被相続人の財産形成に大きく貢献したにもかかわらず、法定相続分通りに財産を分けるのでは不利益が生じるという問題を是正するために民法で定められました。
寄与分は、法定相続分とは別に、遺産分割の際に遺産の中から先に控除され、その後に残りの遺産が法定相続分に従って分割されます。
寄与分が認められるための要件
寄与分が認められるためには、いくつかの厳格な要件を満たす必要があります。
まず、相続人であることが前提です。
相続人ではない親族の貢献は、特別寄与料として別に扱われます。
次に、被相続人の財産の維持または増加に特別の貢献があったことです。
これは、通常の家族として当然期待される扶養義務の範囲を超えた、献身的な行為や財産上の協力でなければなりません。
そして、その貢献と財産の維持・増加との間に因果関係があることです。
寄与によって、明確に財産が減るのを防いだり、財産が増加したりした事実が必要です。
最後に、その貢献が無償であったり、ごく僅かな報酬であったことも要件の1つです。
寄与分が認められるケース
寄与分が認められる具体的なケースは、主に以下の類型があります。
■家業への従事
特定の相続人が、長期間にわたり無償または極めて低額な報酬で被相続人の事業に従事し、その事業の拡大や成功に貢献した場合です。
■財産の給付
特定の相続人が、被相続人の借金を肩代わりして支払ったり、被相続人の生活費や事業資金として多額の金銭を援助したりした場合です。
■療養看護
病気や高齢の被相続人を、長期間にわたり献身的に介護・看護し、その結果、外部に支払うはずだった介護費用を大幅に節約できた場合も寄与分が認められます。
ただし、これらの行為が通常の扶養義務の範囲内にとどまる場合は、特別の寄与とは認められません。
まとめ
寄与分は、共同相続人が被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をした場合に、その貢献度を相続分に反映させる制度です。
寄与分が認められるためには、共同相続人であること、通常の扶養義務を超えた特別の貢献であること、そして財産の維持・増加との間に明確な因果関係があることが必要です。
家業への従事や財産の給付、療養看護などが典型的なケースです。
相続でお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。